ちるえさんの自由帳

タイ・チェンライのNGOで1年間ボランティアをしたトビタテ生の日々と頭の中とお絵かき

バンコク①裸足で政治活動家に会いに行く

ひとりでバンコクに来ています
目的は2つ
1.ミラー財団のバンコクオフィスでヌーリンさんに会うこと
2.アジア女性社会起業家ネットワーク会議にオブザーバー参加すること

日曜日19:30チェンライ発の夜行バスに揺られて11時間。
バスには画面が付いていたので久しぶりにアニメ見たり、ダウンロードしておいた動画を見たり、ぼーっとしたり、隣の席が空いていたので横になって寝てみたりしていたらあっという間に着いてしまいました

さて、初日の今日はミラー財団のバンコクオフィスヌーリンさんにお会いします。

チェンライからの夜行バスは、チャトチャック公園裏のモーチット(北バスターミナル)に止まります
結構広くてごちゃごちゃしてるんですが、長距離バスターミナルから路線バスターミナルまで、人に尋ね尋ね向かう。
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タイの方々、紙に書いてくれたりバス降りる時に教えてくれたり、わかりやすく優しく丁寧でありがたいです(´;ω;`)

さて、約束の時間より早めに着いてしまったためWi-Fiの使えそうなカフェで時間を潰し(結局Wi-Fi使えなかった。笑)さぁ時間だ、いざミラー財団へ!
と思った矢先に事件は起こった。

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サンダルが壊れた

買って約2週間・・・雨に濡れたりしたのが良くなかったのだろうか。
約束まであと10分。サンダルを売ってそうなところはどこにもない。
人間、追い詰められると笑えてくる。

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どうしようもないので片足裸足でミラーまで歩く。まだ午前中だったのが救いだった、これが午後だったら足の裏灼熱地獄・・・

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とりあえずオフィスに着く。地域の公民館みたいなローカルな雰囲気を醸し出している。
インフォメーションセンターでしばらく待っているとヌーリンさん登場。
軽く挨拶して「じゃ、行こうか」
ここで居た堪れない気持ちになりながら「すみません靴が壊れちゃったんです・・・」

ヌーリンさんすぐにサンダルを持ってきてくれた。
すすすすすみません(´;;;ω;;;`)

ここでヌーリンさんについて。
・ミラー財団を有名にした人物
・革新的で新しいことに挑戦するのを厭わないタイプ
・政治活動もしている(ミラーは政治的偏りがあると思われてはマズイため、ミラーのホームページにヌーリンさんは登場していません)
・タイでは超有名人
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高校生の時「髪型をみんな同じにしなければならないのは軍隊チックで民主的じゃない」ということで署名を集めたところ高校を退学になってしまったそうです。
今よりももっと保守的だった時代のヌーリンさんのこのエピソードを聞いて、一体どんな人物かワクワク。
何か新しい活動を始める時に、どうやって社会を巻き込んでいくのか(ソーシャルアクション)ということに興味がある私にとっては、ヌーリンさんの思いやビジョンを是非伺ってみたく、今回本当に幸運なことにこのような機会をいただきました。

さて、ミラー財団と同じ名前でありながら、バンコクオフィスとチェンライオフィスでは活動が全くの別物になっています。
チェンライオフィスは、前述の通り山岳民族の方に関する活動が中心ですが
バンコクオフィスでは山岳民族に関する活動はしていません。では何をしているか。
①行方不明になった子どもの捜索
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行方不明の子どもってそんなにいるの?と思いきや、年間行方不明者は老若男女含めて1500人もいるそうで、先月も20人いて6人行方がわかったぐらいなんだとか。中には6年以上見つからない子もいて、捜索願いの写真の右下に「20歳になった今ごろはこんな感じ」みたいに別の写真が載せてあって切なくなったりもした

②病気の子どもに関わる活動
日本でも聞いたことのある病院でのボランティア。学校に行くことができない子どもたちに遊びや勉強などボランティアたちが関わるようアレンジするんだそうです

③ホームレスの方への衣食提供
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シンボリックなブタさんの車。これはFood For Friendsというプロジェクトで、毎週月曜日ホームレスの方への炊き出しや衣類の提供などをやっています。今日もちょうどその日で、食品会社から寄付された野菜や食べ物が運び込まれていました。
ヌーリンさん曰く、シンボリックなことが大事だそうで「人の印象に残ればそれだけ宣伝にもなる」とのこと。たしかにこれは目立つ。

④寄付を募り分配する
敷地の半分を占める、タイ中から集まってきた寄付のものたち
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1日でこれ3つ分来たりするそうです。配送料も送る側持ちらしいですが、そんなにかからないからか、問題にはならないらしい。
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本。使えるものと使えないものに分別しているのは、ボランティアさんたち。年間130000冊の本が集められ、必要な場所や人に渡って行きました。
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衣類の山。たったの数日だけでこんな感じです・・・
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古着を買いに来ている人たちがたくさん。20Bから始まり、欲しい人が他にいなかったりたくさん買った人はもっと安くなるんだとか(私もここでパンプスを買いました・・・感謝・・・)

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こちらは企業から寄付されたIT機器たち
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一旦集められ、ボランティアや専門のスタッフにより動作チェック・選別されます
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これらは学校などに寄付されるそうです。(私の感覚からすると)結構古そうなパソコンもあって、これ使えるのかな?ニーズあるのかな?と思ったりもした。
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たべもの類もたくさん


さて、たくさんの寄付を目の当たりにして思うであろうことは「一体これどうやって集めたの?」だと思います

それこそがバンコクオフィスが力を入れている「プロモーション活動」なのです。
主に使う手段は2つ、Facebookメディア。
Facebookは「日本人にとってはわからないけど、タイ人にとっては効果的な手段なんだよ」とのこと。たしかにタイ人Facebookユーザーが多く、しかもTwitter感覚で使っている印象。

また、メディアとはあらゆるチャンネル、CM、新聞etc.を指し、活動を取り上げてもらうんだとか。
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メディアに関わる部門。
そこで大事なのは「自分たちが何をしているか」「なぜそれをしているか」「何が必要なのか」クリアに訴えること
なんだそうです。それが上記のようなたくさんの寄付・たくさんのボランティアたちを巻き込んでいくことに。

ヌーリンさんへの最後の質問「これからやろうと思っていることは?」
若者の職業訓練農業への支援だそうです。若者が自分の手で何かができるよう促すことが、やってみたい。農業は自給率の低下や気候変動や環境の問題に対し
何かできないかなーと考えてる。

最後にヌーリンさんに言われたことがあります。
「今日1日僕が話したことによって、あなたは僕たちの活動に関して“情報”を得たにすぎない。本当に知るべきは活動の“文化”で、それはここでの活動に1週間など参加して初めて分かることだ。」

そうですよね、本当に。
ミラーの活動に関してはわかったけど、活動の先で出会う人たちや、プロモーションする相手の、顔が私にはまだ見えていない。活動の一部、いや一欠片ぐらいしかわかっていないだろう。活動には目的があって、目的にはきっかけとなる事象があって、事象には人が関わっている。
私はまだタイのことをよく知らないし、自分がタイ語を習得しなければ言葉の壁が知ることに対して足かせになる。

私は知りたいと思う。
あんまり目標を立てて達成するのは苦手だけど、11月いっぱいまでに、タイ人とのコミュニケーションに困らないくらいまでタイ語を話せるようになろう。
同時にもっと自分が何に貢献できるのか問うて実践しよう。
そしてバンコクオフィスに行って活動に携わってみたい。

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左がヌーリンさん。お忙しい中時間をつくっていただき、ありがとうございました。
右がノップさん。元空軍のパイロットで英語が堪能なため、本日はサポートしてくださいました。ミラーの活動はもちろん、軍隊の話などなども伺いました。最後まで車で送ってくださり、「会議が終わったら連絡してください、お迎えに伺いますし、観光にお連れします」とまで仰ってくださり頭があがりません・・・いいんでしょうか・・・

というわけでバンコクの初日は終了。
明日は朝から会議にオブザーバー参加です。頑張ります。
 
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